落ち着いた室内でフードの器のそばにいる猫

キャットフードの重金属は心配?ニュースの読み方とフード選びの目安

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米国の非営利団体Clean Label Projectが、キャットフードに含まれる重金属の調査結果を、2026年10月2日に公表しました。 [3]

調査対象は、米国で販売されている62ブランドの100製品です。この記事では、その結果をもとに、愛猫の健康への影響をどう考え、毎日のフード選びで何を確認すればよいかを整理します。 [1]

結論からお伝えすると、この調査だけを理由に、今のフードを一律に替える必要はありません。飼い主様がすべてのフードを自分で分析検査するよりも、含まれる量と基準、メーカーの管理体制を確かめることが、現実的な判断につながります。愛猫が食べ慣れている食事を大切にしながら、確認できる情報を一つずつ見ていきましょう。 [1] [4] [6]

アンベルソ(ANBERSO®)は、こうしたニュースを、飼い主様が落ち着いてフードを選ぶための情報としてお届けしたいと考えています。海外の調査と日本の制度をひもときながら、確認するポイントを見ていきましょう。

キャットフード100製品の重金属調査で分かったこと

調査の対象は、米国で販売されている62ブランドの100製品です。内訳はドライ31製品、ウェット40製品、エアドライ・フリーズドライ29製品。鉛、カドミウム、ヒ素、水銀などを分析しました。 [1]

報告書に示された主な検出率は、次の通りです。 [1]

対象物質今回の100製品での検出率
鉛99%
カドミウム96%
ヒ素94%

[1]

ここには、存在は確認できても量を確実に測れないほど少ない「trace」も含まれます。表は、調べた製品のうち何%で検出したかを示すもの。健康への影響は、実際の量や摂取条件と合わせて考えます。 [1] [4]

魚・魚介を主な原料とする製品では、他の製品に比べて水銀が約18倍、ドライでは他の形態に比べて鉛が約3倍という差が報告されました。これは1,000 kcal当たりにそろえた、今回のサンプル間の比較です。 [1]

各製品について調べたのは1ロットで、報告書も、個別のフードが猫に健康被害をもたらすかを判定する調査ではないと明記しています。魚主体か、ドライかという分類に加え、個別商品の検査情報を確かめることが大切です。 [1]

健康への影響は、含まれる量と食べる量で考える

ヒ素やカドミウム、鉛、水銀は環境中に存在し、原料を通じて食品に入ることがあります。FDA(米国食品医薬品局)は、過剰な摂取によって健康に影響し得ると説明しています。含有量に、毎日食べる量、体格、食べ続ける期間などを合わせて考えるのが、リスクを読むための基本です。 [4]

米国の業界団体Pet Food Institute(PFI)も今回の調査に声明を出し、CLP独自の純度基準と、法令の基準や健康リスクの評価を区別して読むよう指摘しました。PFIはメーカー側の団体です。その見解も参考にしながら、調査が示した量の違いと、愛猫への影響を分けて受け取ると、ニュースの意味が整理できます。 [2]

長く食べ続けた場合の影響を、この調査だけで判断することは難しいため、気になる製品はメーカーの検査情報を確認しましょう。「魚主体では水銀が多い傾向があった」という結果も、愛猫の食事を見直すきっかけとして受け止めると役立ちます。 [1] [2] [4]

食べる量と期間を考えるためのフード、はかり、カレンダーと猫

海外の獣医師会が勧める、フード選びの視点

フードの品質を確認するうえで参考になるのが、世界小動物獣医師会(WSAVA)のガイドです。栄養設計を担う専門家、製造元、品質管理、完成品の検査、問い合わせ先などに目を向けるよう案内しています。原材料名や「プレミアム」という表示に加えて、誰が設計し、どのように作り、確かめているかを見ていく考え方です。 [6]

安全性を管理する仕組みも整えられています。米国ではFDAが動物用食品の汚染物質を監視し、EUでは飼料に含まれる有害物質の上限を定めています。国や地域の数値を比べるときは、水分の条件や、ヒ素ならどの形態を測っているかを確認します。こうした条件までそろえると、数字の意味が見えてきます。 [4] [7] [8]

日本のペットフード安全法と、フードを管理する仕組み

日本では、農林水産省と環境省がペットフード安全法を共同で所管しています。製造・輸入などを行う事業者が安全性の確保に責任を持ち、国やFAMIC(農林水産消費安全技術センター)による立入検査や分析を組み合わせて管理する仕組みです。 [7]

販売する側に基準を守る責任があり、行政が検査などを通じて確認します。国が全商品を販売前に検査して認定する方式とは異なるため、フードを選ぶ際には、メーカーがどのように品質を管理しているかも参考になります。 [7]

農林水産省のリーフレットには、次の成分規格が示されています。いずれも、水分10%に換算した値です。 [7]

対象物質上限値(水分10%に換算)
カドミウム1 µg/g
鉛3 µg/g
無機ヒ素(3価・5価の合計)2 µg/g

[7]

今回の猫の調査は、1,000 kcal当たりの量を示しています。一方、日本の基準はフード1g当たりの量を、水分10%にそろえたものです。ヒ素も、調査の「総ヒ素」と、日本の基準の「無機ヒ素」では測定対象が異なります。基準と比べるには、単位、水分、測定対象をそろえた個別の数値が必要です。 [1] [7]

なお、この規格表には水銀の数値上限は掲載されていません。水銀についても、量と摂取条件を踏まえて健康への影響を考える必要があります。 [4] [7]

猫用フードの分析検査をイメージした検体準備の様子

今のフードも、新しく選ぶフードも。確認したい3つのこと

1.愛猫に合う食事か、表示を見る

まずは、主食として与えるフードか、補助的に与えるものかを確認します。そのうえで、愛猫の年齢や用途に合う栄養の表示を見ましょう。栄養の表示は食事としての適合を知る手がかりです。重金属などの管理については、メーカーの検査情報を別に確認します。 [6] [7]

2.メーカーの品質管理を確認する

例えばピュリナやロイヤルカナンは、原料や供給者の確認、製造工程、製品の追跡管理などを自社サイトで説明しています。まずは、お使いのフードのメーカーに、こうした品質管理の説明があるかを見てみましょう。 [9] [10]

品質管理の説明を読むときは、チェックの件数よりも、その内容に注目すると分かりやすくなります。重金属について知りたい場合は、どの物質を、原料と完成品のどちらで調べているか、日本向けの対象製品について確認できるかを尋ねます。自社の管理方針と、個別の製品・ロットの検査結果を区別して受け取ることも大切です。 [9] [10]

3.問い合わせ先とロット番号を確かめる

メーカーや輸入・販売元の問い合わせ先が分かることも、選ぶ際の目安になります。製品名やロット番号を控えておけば、問い合わせがスムーズになり、回収のお知らせが出たときにも対象かどうかを確認できます。 [6] [9] [10]

猫用フードの表示、メーカーの品質管理、問い合わせ先の確認を表すイラスト

もう少し詳しく知りたいときは、メーカーに聞いてみる

アンベルソでは、日頃、パッケージに表示されている成分情報を確認しています。重金属の含有量は、原材料名や一般的な成分表示からは読み取れないため、詳しく知りたい場合にはメーカーの分析・検査情報を確認します。 [1] [6] [7]

メーカーに尋ねるときは、製品名を添えると回答を得やすくなります。例えば、次の3つを聞いてみてください。 [6]

  • この製品について、鉛、カドミウム、ヒ素、水銀の管理・検査はどのように行っていますか。
  • 原料と完成品のどちらを検査し、どの基準や頻度で確認していますか。
  • 日本向け製品について、公開できる検査情報や規格への対応説明はありますか。

[1] [6] [7]

数値の回答が得られたら、検査日、対象の製品・ロット、水分の条件、ヒ素の場合は測定した形態も確認しましょう。情報を公開していないメーカーには、公開できる範囲で管理方法の説明を求めると、判断材料を増やせます。 [1] [6] [7]

飼い主様が、いま確認できることから

愛猫の毎日の食事に関わるニュースだからこそ、気になるのは自然なことです。まずは今のフードの表示を見直し、メーカーの品質管理と問い合わせ先を確かめてみましょう。分からないことがあれば、製品を特定して質問する。飼い主様が確認できることを一つずつ進める姿勢が、落ち着いたフード選びにつながります。 [1] [6]

個別の回収情報がある場合は、対象の製品・ロットを確認してください。体調に心配がある場合や、持病のために療法食を与えている場合は、食事を変更する前に、かかりつけの獣医師に相談しましょう。 [6]

猫の食事を見直すときは、きちんと食べられているかも大切にしてください。コーネル大学のFeline Health Centerは、猫の食欲不振に気付いたら速やかに獣医師へ相談するよう案内しています。食べない、食欲が落ちたと気付いた場合は、ニュースとの関連を自己判断せず、早めにかかりつけの獣医師に相談しましょう。 [5]

フードを選ぶ際には、商品ごとの表示や用途を見比べることから始めてみてください。アンベルソで取り扱うフードは、キャットフード一覧からご覧いただけます。

犬用フードについては、ドッグフードの重金属調査の記事もご覧ください。

出典

2026年10月6日確認。以下は原典・公的資料・メーカーによる公開説明です。

  1. Clean Label Project|猫用フード100製品の調査報告(2026年10月)
  2. Pet Food Institute|猫調査への声明(2026年10月2日)
  3. Clean Label Project|猫調査の公表資料(2026年10月2日)
  4. FDA|Chemical Contaminants / Trace Elements
  5. Cornell Feline Health Center|猫の食欲不振と獣医師への相談
  6. WSAVA|Guidelines on Selecting Pet Foods
  7. 農林水産省|ペットフード安全法リーフレット(2026年7月)
  8. EU|Directive 2002/32/EC(有害物質規則)
  9. Purina|品質管理の公開説明
  10. Royal Canin|品質と食品安全の公開説明